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3月スタッフブログ

いつも大変お世話になっております。やっぺす事務局です。

 

3月度は当団体代表理事の兼子から「震災から10年を迎える」と題しまして更新させていただきます。

それでは、以下内容になります。是非ご一読くださいませ。

 

 

 

10年を迎える

 

3月11日という「震災の日」が近づくにつれ、あらためて復興にとらわれず共に暮らす優しく温かいつながりと差別のない社会を創っていきたいと強く願うようになりました。

自分たちは、震災時いろいろな国から助けてもらい世界はつながっていると確信しました。

だからこそ、できなかったことも含めて私たちの歩んできた市民による市民だからこそできる復興の歩みをお伝えしながら、出逢った方々との緩やかな関係や広がり続けている優しく温かいつながりをたいせつに紡いでいきたいです。

 

震災後、日本中、そして世界中からの支援とつながる中で私自身自分の生き方を見つめ直し、あれほど強く欲しいと願っていた自分の居場所は自分で創るものだと、気づきました。

また、この世に生を受けた人たちは誰もがそれぞれの才能をもって生まれ、決して社会的なカテゴライズにとらわれる必要はなく上や下もない、生きていることは支えあいから成り立っているのだと教えていただきました。

安心して暮らすこととは、かけがえのないたいせつな日々を生きることの継続。

震災は人生の一コマに過ぎませんでした。

活動を通して自分を必要としてくださり、支えてくださったみなさんがいたからこそ今を生かされています。

 

私はこの10年、自分にできることで精一杯活動してきたけれどもそれ以上に団体のスタッフやっぺすの輪のみなさん、家族、たいせつな仲間たちの寄り添いの力があったからこそ、今のやっぺすがあります。

みなさんから教わったことは「お金ではなく、人と人が互いに学びあい、高めあい、共に寄り添いながら、できる時に、できる人ができる事で日々を紡いで生きること」。そしてそれが本来の社会、人間の姿なのだということ。

 

少し自分の話になりますが、一昨年乳がんの告知を受け、抗がん剤と放射線の治療を経て再発予防の為に10年間飲み続けないといけないホルモン剤の服薬治療が必要となりました。

しかし、副作用は辛く改善されませんでした。

 

仕事をつづけながら、痛みと共に起きて痛みと共に眠りに堕ちる日々になんとか抗おうと頑張りましたが、先月の地震で心がポキッと折れてしまいました。

その時に大好きなサルバドール・ダリの「眠い人が眠るように、瀕死の人は死を必要としているのです。抵抗が間違いで無駄だというときが、いずれきますよ。」という言葉を思い出しました。

現在は、主治医の先生と話し合い再発予防の為のホルモン剤の服薬は自分の意志でやめることにしました。

それに伴い、疼痛コントロールをしながら再発の早期発見に努めています。

 

人間は感情の生きものなので自分自身のことですらコントロールできませんし、しなくてもいいのだと思います。

その時々にあわせて最善を尽くしていればいい。でないと私のように病気になってしまいます(笑)

実際、震災から数年間は、優秀な方々と自分を比べて、できない自分をちっぽけで、無能な人間だと泣き叫んでいました。

そんな私に温かく優しいつながりをくださり、救ってくださったみなさんにこれからもご恩を贈れるように、精進して生きたいと思います。

そして、これからも共に差別のない、全ての多様な生き方が受け入れられる社会の実現と私のように病気でも働けて、自分らしい生き方を選べる場を創り続けようと思います。

 

                                        代表理事 兼子佳恵

 

 

 

 

 

ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。

「震災から10年を迎える」と題した3月度スタッフブログいかがだったでしょうか。

来月4月は、復興住宅支援の戸田(香)より、テーマを変更して投稿させていただきます。お待ちくださいませ。